セールスフォースが好調だ。
なかなか理解されていないようなので少し解説したい。結論から言うとセールスフォースの強みはロジックは複雑ではないがユーザーやデータが多い、「データ蓄積・参照型」のシステムで、そのタイプに当てはまるシステム構築には最強のコストパフォーマンスを発揮する。アクセスで部門システムを作れるユーザーさんなら同じ感覚でユーザー数1万データ100万件くらいのシステムを作れるだろう。ただ複雑な計算をセールスフォースの上でさせるのは間違いだ。
セールスフォースのデータのモデルはアクセスと同じ「1対他の親子関係モデル」で、それにユーザー認証がついてWebから使えるものになっていると思えばそう外れていないと思う。テーブルを作って項目を定義し、そこから紐付く子テーブルをまた作ると自動的に入力画面も作れるというイメージだ。大量データのお守りやチューニング、不正アクセスや使われているソフトウェアのセキュリティについてはセールスフォースのエンジニアが命をかけてメンテナンスしているのでユーザーはそこを気にする必要はない。彼らは同じシステムを大量の客に使ってもらっているので、一人あたりのコスト負担は少なくてすむ。
もともとCRMを出発点にしているのでもちろんそれに向いているが、苦情のトラッキングをするようなコールセンターシステム、申請を受け付けて状態管理するようなシステムにも向いている。高度な検索ができるので大量のデータを保管してほしいデータを表示させるようなシステムには向いている。
逆に単純な親子関係で定義できない(ER図に乗りにくいような)データを扱うには向いていない。夜間バッチで何時間もかかるような複雑なロジックを実装するにも向いていない。SCMのようなプラニングエンジンが最適な計画を算出するようなシステムには最も向いていない。あくまで部門システムがスケールアウトしたものと考えるべきだろう。