40

今日で40歳になった。名実ともにオッサンである。

この年をしていったい何をやっているんだろうと思うこともある。思えば社会に出てから明日がどっちにあるのかずっと確信が持てなかった。ずっと不安定で不安定であるという点では安定していた。ITの世界を選んだのだからそれは仕方がない。これしかできなかったのだ。

長男とは30歳差で、父とも30最差だ。つまり長男は今年10歳で、父は今年70歳になる。

未来館

連休中に子供達と「日本科学未来館」というところに行ってきた。

日本科学未来館は、お台場にある6階建ての科学パビリオンだ。最近できたものらしく、私も行くのははじめてだ。いろいろな科学展示物があって、さわって動かして楽しめるだけでなく、職員(たぶん現役の研究者)が子供相手にやさしく説明してくれる。

企画展で「きみのみらい みらいのきみ かこさとしと探しにいこう」というのをやっていた。かこさとし(加古里子)は有名な絵本作家で、「からすのパンやさん」や「だるまちゃんとかみなりちゃん」等を書いた人だ。今年84歳だが展示物の屏風を熱心に描いて職員を驚かせたという。

予約制の実験教室というのもあって、定期的に「ロボット」「バイオ」「DNA」「超伝導」等を子供向けに実験させている。

私が面白いと思ったのが「インターネットの物理モデル」という展示だった。これは白黒16個の玉を並べてボタンを押して転がすと前8個の玉の並び方で行き先を、後ろ8個の玉の並び方でカタカナ1文字を送れるという展示物だった。

インターネット物理モデル

 

詳しい人にはピンとくるだろう。16個の白黒の玉はパケットで、要するにIPネットワークを玉とレールで表現したものなのだ。白黒なのはもちろん玉1個が1ビットという意味である。しかしそんなことを全く知らない子供達でも面白がって玉を16個並べて送っては着いた着いたと遊んでいる。飽きるほど遊んだ頃に職員がインターネットの原理を説明する算段である。

この手の他の施設に比べ、規模も内容も格段に充実している。小学1年と4年の子供を連れて11時頃に行ったのだが、6時の閉館時間いっぱいまで遊んでいた。ここの特色は現役の研究者が素人と子供を相手に説明していることで、普段仲間内の会話しかしていない研究者に一般人に直接説明させる機会を持たせるという教育的な意味も感じられる。子供にあからさまにつまらなさそうな顔をされて毎日冷や汗をかくなかで素人にうまく伝えるスキルが磨かれるのだと思う。ちなみにここの館長は元宇宙飛行士の毛利衛氏だ。