こくさくそうさ

国策捜査というものは、皆が思う以上に頻繁に行われている。

この事例を考えてみよう。少し長いが引用してみる。

ペイントハウス、有価証券報告書に虚偽記載 訂正命令を初勧告

 ジャスダック上場の住宅リフォーム大手「ペイントハウス」(東京都多摩市、田子和則社長)が虚偽記載のある有価証券報告書を提出したとして、証券取引等監視委員会は二十九日、証券取引法に基づき、同社に対して同報告書の訂正命令を出すように、金融庁に勧告した。
 昨年七月に同報告書の検査権限を財務局から委譲された証券監視委が訂正命令を勧告するのは初めて。勧告通り同報告書の訂正命令が出されれば三十五年ぶりとなる。
 証券監視委によると、同社は、社債の債務を免除される和解契約を昨年十月に締結したのに、それ以前の同年八月期決算で、債務免除益約百十七億円を計上。約八十九億円の債務超過とすべきところを、連結純資産が約二十七億円あるとする虚偽の有価証券報告書を提出したとされる。
 同社は上場廃止の可能性がある監理ポストにあり、同期の決算で債務免除益が計上されるかが注目されていたという。
 同社は、勧告について「適切な会計処理を行ったものと確信している」などとするコメントを発表。また、今月二十六日には訂正命令の差し止めを求める訴訟を東京地裁に起こしている。」

5月30日の記事だ。もう風化していてソースを探すのに苦労した。それくらい小さな記事だ。要は上場企業が117億円を粉飾しましたという記事である。経営者は逮捕されたか?されていない。企業に対して、「訂正命令」を出して終わりだ。ホリエモンはどうか。50億円の粉飾で逮捕、強制調査、長期間の拘束、しかも「大型経済事件」などと言われてしまっているのである。実態から言うと、経済事件には違いないが、「大型」というのはまちがっている。ペイントハウスとライブドアの扱いの差は何なのか。それは、ホリエモンを潰す必要性が国の側にはあったという事である。

0 thoughts on “こくさくそうさ”

  1. どうも。お久しぶり。
    ライブドアが刺されたのには色々理由が考えられるが、何より数多の素人の投資家が手を出し東証の株式取引量が半端でなく多かった為だろう。相次ぐ株式分割と株売買単位引下げの為、膨大な株式が流通していた訳で、経済実体が無いのに有るように嘘で塗り固められた有価証券報告書をでっち上げてあれだけ多数の人々にカネを動かさせた罪は重いってところじゃないか。
    因みに有価証券報告書と四半期報告書を並べて検討したらこの会社は粉飾してそうだって分かっちゃったよ。ちょうど2年前に野球チームを買収するとか意気がっていた頃、アソビで調査したんだわ、単純に野球チームとこのガキと共倒れにならないかなあという関心から。
    Pハウスなんて社債の債務免除益が無きゃ債務超過なんだし。引き続き投資するのはプロのハイリスク・ハイリターンを狙う輩だけでしょう。ここまできていくら粉飾していようがまだまだ投資していた人は馬鹿でしたというだけ。
    (続く)

  2. (続き)
    因みにPハウスが赤字をガンガン出していた頃、とある会社と買収を仕掛けようか検討したことがあるけれども、所詮リフォームのノウハウにはどの会社にもこれといった差が無く(だから悪質リフォーム業者がのさばる問題が起きる)、鍵は優秀な営業マンであるから、Pハウスから流出した人材をかっさらうという結論を出したことがある。
    また3~4年前に元JQ上場会社で、上場前から過去14年に渡り架空売上を400億以上粉飾してた会社が民事再生にも失敗し破産した後、悪質な融資詐欺で捕まり、役員一味が懲役喰らった事件があった(僕も騙された側に関わりました)。でもまあ所詮は社会面扱いだったよ。
    ではまた。

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