ねりま

結婚してから2年ほど、練馬に住んでいた。

西武新宿線の武蔵関という駅の近くにマンションを借りて住んでいた。駅前は閑散としていて、学習塾が多いこと意外はこれといって特徴のない町だった。まだ車はもっていなかったので、週末には2人で自転車に乗って買い物に行った。隣の保谷に皮付きの豚バラ肉を売っているスーパーがあって、よく買いに行った。妻の得意料理は角煮で、角煮には皮付きの豚バラ肉が良いのだ。

西武線にはライオンズ戦とセットになった「お得な」乗車券が売っていたので、よく西武所沢球場に野球を見に行った。行ってみてすぐに、この「お得な」乗車券は不要だということがわかった。球場には「券が余っちゃったんだけど買いません?」というダフ屋がいて、500円で試合が見れることがわかったからだ。当時ライオンズで客が呼べる選手は松井稼頭央くらいしかおらず、オリックス戦の時などは、ライオンズのファンでさえイチローを目当てに試合を見に来ていた。ガラ空きのスタンドで前の座席に足をのせ、隠して持ち込んだ缶ビールを飲みながら西日を浴びて(まだドームではなかったのだ)野球を見ていた。妻は野球のルールはよく知らないようだったが、大きな当たりがでると喜んでいた。

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