あいてぃー

私がいた日本のIT業界について少し話そう。

私は子供の時からコンピュータが好きで、大学も工学部情報工学科に入った。卒業後、ソフトハウスに入社し、何回も転職を繰り返し、鬱病になって、働けなくなり、36歳で引退して主夫になった。

日本のIT業界は、一部を除いて大半は悲惨な状態だった。多段下請け構造、慢性的な長時間労働、システムが完成してからでさえ発生する仕様変更、ソフトハウスの派遣会社化など構造的な問題を抱えている。まずある会社が業務システムを発注すると、それを一次請けが受注する。一次請けはちょっとだけ設計して二次請けに安値で発注する。二次受けも少し仕事して三次請けに安値で発注する。この調子でだいたい五次請けくらいまでのピラミッド構造ができあがる。一次請けは技術も知らないし(知っていても無駄だから)、たいして設計などしていないので、システムを作りながらどんどん仕様変更が発生し、下請けは毎日23時まで残業する。個人情報保護のため、下請けは持ち帰って仕事をすることが許されず、一次請けか二次請けの会社に派遣されて仕事をする。だから大半の下請けソフトハウスは、ほぼ派遣会社とかわらず(もちろん無許可)自社に自分の机すらない。ピラミッド構造で作業内容はがちがちに決まっているため、ほとんどが単純長時間労働である。

昔共産主義が生まれた頃、労働者は劣悪な環境でいいようにこき使われていた。それとかわらない。私はもう、日本のIT業界に戻るつもりはない。子供もIT業界に入れるつもりはないし、才能ある若者にも日本のIT業界はすすめられない。

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